2004-11-17

井伏鱒二/訳

コノサカヅキヲ受ケテクレ

ドウゾナミナミトツガシテオクレ

ハナニアラシノタトヘモアルゾ

「サヨナラ」ダケガ人生ダ



友人が逝きました。

急性心筋梗塞だったとか。



友人、というか、敵でした。

むしろ。

エネミーです。



彼は男子寮の暴れ者

私は女子寮の監査委員長



通常女子寮に無断侵入した男子寮生は丸坊主という慣例があったのですが、彼はそれを潔しとせず、最後まで頭を丸めることがなく、そんな彼をなじる私という対立関係にありまして。



何度もぶつかったし、イヤミも言い合ったし、泣かされもしました。



くやしい思いもいっぱいして、何て傍若無人な奴であろうか。



と、在寮時代は思ったものでした。



卒業して、ぽつらぽつらと話をするようになり、数年に1度くらいの割合で皆で集まる時などにはそこそこ話なんかもして、電話をもらったりもしておりました。



憎まれっ子世にはばかるに習い、絶対に長生きするかと思っていたらば。







哀しい、という気持ちもそうですがどこか空虚な気がします。



実は8年ほど前にも同じように友人を(同じ寮の)事故で亡くしていて、

まったく皆早く逝き過ぎだよ。

いい男がどんどん減っていくじゃないか。



と、悪態をついてみたりもしました。



今は彼を悼みつつ一人で杯を傾ける私であります。

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